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砂糖の摂取で敵意と凶暴性が強くなる(zeraniumのブログより)

≪zeraniumのブログ≫に興味深い記事があったので転載させていただきます。
http://8729-13.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-aca2.html

砂糖の摂取で敵意と凶暴性が強くなる   

悪い糖類とは砂糖や、砂糖のように高度に精製された糖類のことです。
   褐色の小麦の粒を製粉すると白い粉ができます。製粉とは小麦を砕き、ローラーで粉末にすることで、ファイバー(繊維)の多い褐色のふすまと胚芽を取り除き、デンプンだけを残すプロセスのことです。この製粉の過程で多くの栄養素が失われていきます。胚芽を取り除くときに、ビタミンと不飽和脂肪酸が消失し、ふすまを取り除く時に、ファイバー、マグネシウム、そしてここでもさらにビタミンが失われます。

   こうしてつくられた美しい白い粉が精白小麦粉であり、栄養学的にはほとんど価値のないデンプンの塊りなのです。同じく玄米も、精米というプロセスを経て栄養価のほとんどない白米になります。精米によってファイバー、ビタミンB₁、E、鉄が取り除かれ、白色のデンプンだけが残ります。色も玄米の黒から白米の白に変わります。

   しかしなぜ、栄養学的にはほとんど価値のないデンプンの塊りが現代社会では大人気なのでしょうか? 理由は2つあります。1つはイメージです。現代では「白」はステータス・シンボルなのです。白い粉は、全粒粉の小麦粉や玄米に比べ、より純粋で高級であると宣伝されたからです。そして富裕層はこのイメージ戦略にはまり、白い粉を価値が高くて珍しいものとしたのです。白いのが良いとされる価値感によって選ばれているものは他にもたくさんありますが、こうして白い粉は、高級感のあるステイタス・シンボルになったのです。

   2つ目は、白い粉が腐敗しやすい不飽和脂肪酸をまったく含まないことで、全粒粉よりも賞味期限が長くなったことです。白米や精白小麦粉で作られた精白パンやそうめん、うどん、餅菓子、ケーキなどは、見た目も美しく、賞味期限が長いのです。

 コカコーラよりも砂糖の多い「エンシュア」

   精白された白砂糖やデキストリンはどちらも甘い砂糖ですが、アボット社が製造販売する健康ドリンクのエンシュア・リキッドの成分リストに入れられています。手術や病気からの回復期にある、あまり食べられない人や高齢者に与える栄養総合剤と謳(うた)われており、食事の代わりに飲んだり、カロリー不足を補うために飲まれています。私の妻はかつて低血糖症で倒れたことは述べましたが、病院でエンシュア・リキッドを処方してもらい飲んでみました。すると飢餓感を覚えたり、フラフラになったりして低血糖症は悪化したのです。それも1度ではなく数回彼女は飲んでみましたが、結果は同じでした。

   エンシュア・リキッドを飲んで低血糖症が悪化するのは当然なのです。
   実はエンシュア・リキッド(250ml)には34.3g もの砂糖が含まれているのです。ちなみにコカコーラ(350ml )には39g もの砂糖が含まれています。ですから健康によいと謳っているはずの液体は、健康に悪いコーラに比べ、砂糖が1.2倍も濃厚なのです。エンシュアにはビタミンやミネラルが含まれているはずですから健康にはよいことになっているようですが、これほどの大量の砂糖を含んでいたのでは健康にはよくないのです。

 砂糖はうつを引き起こす

   砂糖がうつの原因の一つなら、砂糖の消費量が増えるほどうつが増えるはずです。
   これを調べたのは、テキサス大学のローレン・マランゲル教授ですが、彼はニュージーランドやカナダ、ドイツ、フランス、アメリカ、韓国など6ヶ国で、うつと砂糖の消費量の関係を調査しました。それによると、うつの発症率が一番高い国はニュージーランドで、砂糖の消費量が一番高かったのです。たとえば1日に1人当り500キロカロリー(125g)の砂糖を消費するニュージーランドでは、人口の6%がうつになっていました。400キロカロリー(100g)のカナダでは人口の5%、200キロカロリー(50g)の韓国では人口の2%でした。このことから砂糖が気分を悪くし、うつを引き起こす要因となっていることは明らかです。

 食べ物と脳の研究

   脳と体をつくるのは食べ物ですから、食べ物が心の健康を左右するのは当然です。
   でも、まだ多くの人々はこのことに気づいてはいません。イギリスの栄養療法士のアマンダ・ギアリは慈善団体からの寄付で、「食べ物と気分」というプロジェクトを進めています。彼女はかつて、シリアルやクッキー、ケーキなどの精白小麦粉で作られた食べ物をたくさん食べており、ベッドから起きられないような日々を送っていましたが、これらの食べ物をすっかり排除したことで健康を回復した経験があります。

   またイギリスでは、子どもの気分や集中力に食べ物が大きな影響を及ぼすことに気づいた専門家や学校関係者、親たちが共同で研究を始めています。日本だけでなく多くの先進諸国では、うつや不安といった心の病が激増しています。その原因は色々考えられますが、一番の原因は本来の食事が変わったことだと私は主張します。かつて自然食品が中心であった食事は、今では加工食品が中心になりました。これがうつや不安やその他の心の病が増加した、大きな要因であると私は考えています。

   自然の食品にはビタミンやミネラル、ファイバーなどが豊かに含まれていますが、わざわざその栄養素を取り除くという加工をしておきながら、その不足によって病気になっているのですから皮肉というほかはありません。これが昔に比べ、今は100倍も心の病にかかる人が増えた主な原因だと私は信じています。

 「気分」の鍵をにぎる脳内物質

   ではなぜ、人はうつになるのでしょうか?
   まだ完璧に解明されたわけではありませんが、うつは脳内における化学物質の不調や、否定的な考え方、社会的なプレッシャー、遺伝が影響していると考えられています。気分に関してカギとなる伝達物質が3つ知られています。それがセロトニン、エンドルフィン、ドーパミンです。つまりこれらの物質があなたをリラックスさせ、落ち着かせ、幸せを感じさせる張本人なのです。ですからこれらの物質が脳内に適切な量だけあれば、あなたは気分爽快で、元気で、落ち着いており、集中力も得られて楽観的でいられるのです。あなたがおいしいデザートを口にする時、脳に快感をもたらすこれらの物質が放出されているわけです。甘いもので気分がよくなるのはこいういうことだったのです!

 甘いものと気分悪化の悪循環

   では逆に考えると、私たちは気分が悪くなったときに、無意識のうちに甘いものを口にして自己治療をしようとするのでしょうか? その通りです。この実験は南アラバマ大学のラリー・クリステンセン教授により、113人の男子学生と138人の女子学生を対象にして行なわれたもので、そのことが証明されました。彼らの67%が、気分が低下したり不安なとき、あるいは疲労を感じた時に、砂糖が豊富に使われた甘い物が欲しくなると回答したのです。そして甘い物を食べた直後、彼らは幸せを感じ、リラックスでき、元気になりました。

   しかしこれらの一連の実験からわかったことは、砂糖を大量に含んだ甘いものを食べると気分は一時的によくなりますが、後で急激に落ちるということでした。一時的に気分はよくなるが、時間が経てば、甘いものを食べる前よりも気分は悪化するのです。だからさらに甘い物を食べる。この悪循環を断つためには、食事からすっかり甘いものを取り除かねばなりません。また甘さの程度も重要なことがわかりました。甘みの強いものを求めた学生は、甘いものへの欲求も高かったのです。動物でも人でも、うつになると甘いものを余計に求める傾向があります。

   これはイギリスの科学者の報告ですが、うつの人はチョコレートを食べる欲求が強く、しかもうつの程度が深刻な人ほど甘いものへの欲求が強いのです。チョコレートがうつと関係していることがわかります。

 砂糖で敵意と凶暴性が強くなる

   科学者たちは長年にわたって熱心に研究しているのは、食事の中でも特に砂糖やクイックカーボの多い食事を摂り続けた若者たちが、敵意や攻撃性、反社会的行動をとるようになることや、それらの食べ物を避ければ彼らの行動が改善するのかといったことです。1980年代に米国の科学者たちは、14の少年院に在籍する8000人以上の青少年について研究調査をしてきました。そしてアレックス・シャウス博士は、もし収容されている若者たちが砂糖やクイックカーボの摂取量を減らすなら、彼らの反社会的行動は50%減少すると報告しました。

   シャウス博士が砂糖と敵意や凶暴性とのつながりに興味を持ったきっかけは、15歳の少年に関する1枚の告訴状を読んだことからでした。この少年は甘いものが大好きで、1日に200g もの砂糖を摂取していたのです。それまでに彼は45回も逮捕されていました。彼を精神科医が診察しましたが、何の助けにもなりませんでした。しかしこの少年の食事から砂糖を取り除いて3週間がたつと、彼はとても礼儀正しい青年に変身していたのでした。心理テストの成績も上がりました。シャウス博士はその後、3年にわたり追跡調査をしましたが、その間に1度も彼の犯罪的な行動は再発しなかったのです。

   少年の食事から砂糖を抜いた効果は驚くべきものであり、劇的なものでした。
   驚いたシャウス博士は、全米においてこれと似たようなケースを集めました。これに注目したのが、ノーベル賞を2度受賞したライナス・ポーリング博士でした。ポーリング博士の要請もあって、シャウス博士は1981年に『食事・犯罪・非行』(未邦訳)という衝撃的な本を発表しました。この本が引き金となり、世界各国の少年院や刑務所で研究が行なわれました。

   そうしたすべての研究が疑問の余地なく示していることは、砂糖やクイックカーボ(食べた直後に急に血糖を上げる糖類)やジャンクフードの摂取を制限することによって、収容者の行動が驚くほど改善するということです。少年院でも刑務所でも、喧嘩や破壊行動といった反社会的な行動が著しく減少したのでした。


        「砂糖をやめればうつにならない」 生田 哲著 角川oneテーマ21

                          抜粋 

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